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2018-11

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何も変わらないネパールその2

さすがに国民も政治のふがいなさにがっかりしている。
そして政治の汚さに唖然としている。
しかし、それでも次の選挙は、そうした政党が全体の95%の票を得る。
絶望的だ。
ネパールの政治的混乱をいいことに、インドと中国が何かと干渉をしている。
今も中国のハイレベルの代表団がカトマンズを訪れている。
その代表団とは別の話だと思うが、先のマオイストによる6億円供与依頼の件はどうやら本当であったらしい。
我われは、大国の論理に仕切られる小国の悲劇を、過去に幾度か見てきた。

期限が切れたマオイスト兵士の国連の管理は、土壇場にきて4ヵ月延長になった。
憲法草案の提出も1年延ばした。結局は問題を先送りにしているに過ぎない。
2006年のデモから4年半、ネパールの政治は、それこそ、国に混乱と国民に失望を与えた以外のなにものでもない。
首相選びは明後日からはじまるネパール会議派の総会が終わる9月20日以降ということらしい。
首相選びも、ここまで混乱し3カ月も長引くと、目的が何だか分からなくなってしまい、新しい首相が選ばれたとしても、その意味合いが違ったものになってしまったように思う。
私にもっと能力があれば、資金もそうだが、やることはいっぱいある。

(ドン・キホーテ続き)

― 中略 ―

そうした自然と文化にふれた宮原は、著作『還暦のエベレスト』(山と渓谷社、一九九五年刊)で、カトマンズの街をつぎのように描写している。

 カトマンズは中世的な雰囲気の漂うレンガ造りの街である。
昔からいくつかの王朝が栄え、滅び、そして都市文明が築かれてきた。
街の随所にある建造物には往時の繁栄がしのばれる。
なんといっても、カトマンズの街に心惹かれるのは、文化的遺産といえる昔ながらの街並みが、そのまま生活の場になっていることである。
 絵にしたいような建物と建物の間に入り組んだ路地、その路地を進むと思いがけないほど明るい広場に出る。
そこはバザールとなっていて、色とりどりの野菜がうずたかく積まれ、いつも買い出しの人で賑わっている。
街の中心にはヒンズー教の壮麗な寺が聳え、街角のそこかしこには小さな祠や仏塔がある。
家並の奥の寺からは、カンカンと参詣する人が鳴らす鐘の音が響く。
ヒンズー教では神様とされている牛は、時々店先の野菜を失敬し人間と一緒に悠然と歩いている。
 朝の祈りから始まる一日、そこには穏やかな生活のリズムがある。

でも、今カトマンズは、昔はそうだったということわりがつく。
穏やかな街の情緒は、近年になって一変した。
こじんまりとして恵まれた地勢も、いちじるしい人口増加のため、今では障害となって街は飽和状態と化した。
それに加えて公害垂れ流しのずさんな開発が生活環境を著しく悪化させている。
盆地内の人口は、昔の十倍近くに膨れあがった。
残念ながら、郊外の田畑をつぶし膨張し続けたカトマンズは、ユネスコの世界遺産に登録されているというのに、公害汚染都市に堕した。
街中にごみが散乱し、自動車とバイクが急増し大気汚染も甚だしい。
一九八〇年以前には、カトマンズ空港に降り立つと、ふくよかな風に堆肥や花の匂いが運ばれてきたものだった。ところが今運ばれてくるものは、煤煙や排気ガス、騒音である。
数十年前までは清流だったカトマンズ市とパタン市の境界を流れるバグマティ川は、未処理の生活排水が流れ込み、汚水の流れと化して悪臭を放っている。
 ところが不思議なのは、それでありながら、なお魅力的な要素が底流に息づいているのがネパールである。
それは自然の豊かさ、その自然に育まれ鍛えられた人々の心やさしさ、そして昔を思わせる郷愁を掻きたてる風情が、私たちにそう思わせるのかも知れない。
カトマンズの街並を抜け出して、郊外の風景に接したとき、特にそのことが強く感じとれるのだ。
それは前近代の遺産ともいうべきものなのであろうか。 

(次回に続く)
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宮原巍

Author:宮原巍
ネパールに住んで45年。
1934年、長野県青木村出身。
1968年トランス・ヒマラヤン・ツアー社(カトマンズ)、1969年ヒマラヤ観光開発株式会社(東京)を設立。その後、ホテル・エベレスト・ビューとホテル・ヒマラヤ・カトマンズを建設。
長年ネパールの観光事業に携わり、ついにはネパールの国籍を取得。
著書に『ヒマラヤの灯火』(文藝春秋刊)、『還暦のエベレスト』(山と渓谷社刊)がある。

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