2017-10

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悪しき構図

私が住んでいる近くに、4階建ての新しいビルができた。
最近そのビルにサインボードが取り付けられたので、なるほどと思った。最初は外国に出稼ぎに行って、その金で建てたのかと思ったがそうでないらしい。地位向上と民主主義のための婦人同盟とある。International Non Government Organization (ING)活動の一つであるように思う。

今カトマンズ、その他ネパールの各地でバンダが続いている。
新憲法に載せようとしている民族別州の設定を、いろんな民族の人たちが勝手めいめいに主張し始めてのことである。
数日前の朝日新聞に11の州を設定することで3大政党が同意し、これで過半数が得られるので新憲法制定に大きく前進したとあった。だけどことはそう簡単には行かない。その同意は3日で反故になった。同意書のインクも乾かないうちにとネパール人の友人が言っていた。もっとも、こうした政府の低迷が騒ぎに火に油を注いでいる。

この二つのことは関連がなさそうだが、実は大いに関連があるのである。
まず外国からのING活動である。そのうちの一つにザナ-ザティ(ネパール語、ブラーマンやチェトリなど上位のカーストでない民族)の地位向上に対して、INGは啓蒙活動的なことをしている。そのためにセミナーを行ったり社会活動を行ったりしている。これは一見良いことのようだが、実態は民族の自我を主張させ、今回の騒動の受け皿となっている。
もう一つの実態は、目端の利くネパール人がINGに取り入り、そうした活動をでっちあげることで彼らが金儲けをしていることである。

INGリーダーたちは自分の家族も含め給料を取り、その組織を維持し、何か活動らしきことをする。
今ネパールにはこの類のING ,NGO組織が2万あるといわれている。
これが国と国民を毒していることの一つのように私には思える。
そのために何十億という金がネパールに転がり込んでいる。活動家たちにとって元手も要らず、事業のリスクもなく、原価もかからないこれほど楽な仕事はない。
ネパール人がそれによってスポイルされている弊害とは別に、上の関連性について言えば、ザナ-ザティを売り物にしたING活動が、結果として民族意識(自我と言うべきか)を煽いで、今民族別州の騒ぎにつながっている。

部族別に分かれて、独立しようなんてことになったら、240年前、プリティビ・ナラヤン・シャハによってネパールが建国された以前の状態にでも戻そうかということになる。逆行も甚だしい。
まあそうはならないと思うが、今ネパールではそんなバカげたことが、論争の一番の的となっている。
それはともかく、今ネパールの政情は目まぐるしく動いていて、日替わり弁当さながら昨日言わんとした事が、今日は通用しないといった感がある。 
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ご無沙汰しています。この度ブログを始めましたのでよろしく。それにしても相変わらずの混沌としたネパール、宮原さんの想いが伝わってきます。

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プロフィール

宮原巍

Author:宮原巍
ネパールに住んで45年。
1934年、長野県青木村出身。
1968年トランス・ヒマラヤン・ツアー社(カトマンズ)、1969年ヒマラヤ観光開発株式会社(東京)を設立。その後、ホテル・エベレスト・ビューとホテル・ヒマラヤ・カトマンズを建設。
長年ネパールの観光事業に携わり、ついにはネパールの国籍を取得。
著書に『ヒマラヤの灯火』(文藝春秋刊)、『還暦のエベレスト』(山と渓谷社刊)がある。

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